猫が吐いてしまう原因は? 飼い主の不注意で猫の命が危険にさらされることも

 

飼い猫、美蘭(ミラン)の体調が悪くなり、治療のために初めて病院に連れて行ったのは、生後およそ4カ月半のころでした。具合が悪そうにうずくまっていた猫が、2度も嘔吐したんです。

身体検査やワクチン接種のために、近所の動物病院に行ったことはありましたが、その時は事前に予約と準備をする時間がありました。
でも、体調を壊した時には、その日のうちに病院に連れて行かなければなりません。

初めての診察。体調不良の原因は不明ですが、思い当たることは先生にすべてお話ししました。

猫が吐いてしまった原因は、思いもよらないものでした。

にゃんこを命の危険にさらさないために、体験談を記しておきます。


レントゲンに写った意外な物とは


10月のある日曜日。

アメリカンショートヘアの美蘭は生後4カ月半でした。

いつもはうるさすぎるほど活発に動く猫でしたが、お昼ぐらいから「今日はおとなしいな」と思うほど静かになりました。
部屋の隅の方でうずくまっているんです。しかも、目は開いていて、寝ているわけではないようです。
15時ぐらいに1度、それから夕方にもう1度吐いたので、「何か悪いものを食べたのかも」と心配になり、いつもの動物病院に電話をしてみましたが、休診のアナウンスが流れてきました。

ペット保険に加入していたので、保険会社のサイトにアクセスして、提携先の動物病院を探しました。運よく電車で2つ先の駅の近くに、日曜日も診察してくれる病院が見つかりました。

電話をして猫の症状を説明すると、「すぐに連れて来てください」と言ってくださいました。

 

先生には、

  • テーブルの上の果物など、普段食べないものを口に入れてしまったかもしれない
  • 涼しい日が続いていたので、風邪をひいたのかもしれない

とお話ししました。

室内飼いの猫なので外にも出していないし、思い当たることはその2点しかありませんでした。

その日は朝ご飯しか食べていなかったので、嘔吐はしましたが、内容物はほとんど水分でした。

先生は触診をして、「レントゲンを撮ってみましょう」と言いました。

レントゲンをみると、腸になにかが写っていました。

先生によると、ヒモ状のものを誤飲したらしいとのことでした。

先生は

  • レントゲンをみると長い紐状なものを飲み込んだらしい
  • 飲み込んでから時間が経っていて、腸に入ってしまった
  • もしかしたら排泄されるかもしれないので、一晩入院して様子をみましょう
  • 明日の朝も体調が戻っていなければ手術するしかありません

とおっしゃいました。

すると、小学生だった娘が突然

「こんなに具合が悪そうなのに、明日まで待つのはかわいそうです。すぐに手術をしてください

と主張したのです。

そのまま美蘭は入院することになりました。娘と私は大泣きしながら、病院から駅までの道を歩いていて帰りました。

当日。診療時間が終わった19時以降、手術が行われました。

結果的には、ベストのタイミングでした。

夜中近くになって、自宅で待機していた私たちの元に、先生から「手術は無事に成功しました」と電話があり、家族でまた、泣きました。


猫が吐いた原因は飼い主の無知が原因でした


翌朝、病院を訪れました。

先生から、ピンクと白の長い毛糸を見せられました。1メートルぐらいはあったでしょうか。マフラーを編むために、以前購入した毛糸が一玉、娘の部屋に置いてあったんです。

おそらく、猫がその毛糸にじゃれて遊んでいた時、先っぽが口の中に入り、そのまま飲み込んでしまったのではないかとのことでした。

実物の写真です

猫の舌はザラザラしていて、口に入ってしまった毛糸を出そうとしても、舌のザラザラに絡まるような形で、どんどん体内に入ってしまうらしいんです。

結構な長さを飲み込んだところで、ようやく毛糸がかみ切れたのかもしれません。

ピンクと白の毛糸を見せられた時は、考えてもみなかった原因に、娘も私も衝撃を受けました。

絵本や絵画でも「毛糸と猫」というのはよくある題材で、毛糸が猫にとってそんなに危険な存在だとは思わなかったからです。

先生によると、ハンドタオルを飲み込んでしまう犬などもいるようです。日常的に使っている物が、ペットの命を縮めてしまう原因になってしまう可能性があるなんて、まったく知りませんでした。

私たちの無知のせいで、美蘭の命を失ってしまうところでした。

また、フワフワしたモヘアタイプの毛糸だったことも災いしました。
体内で水分を吸って、ふくらんでしまったため、腸の中でかなりの太さになってしまったようでした。
猫の長い腸に太い毛糸がぴったりと収まり、前にも後ろにも動かない状態だったので、治療方法は手術しかなかったとのことでした。

改めて、記録を見返してみると、診察、入院、手術に20万円以上かかりました。しかも入院日数は7日間にも及びました。美蘭には本当に痛くてかわいそうな思いをさせてしまいました。


猫の異物誤飲に気を付けよう


その事件以来、わが家は誤飲にとても注意するようになりました。

ある動物保険会社の調査によると、「異物誤飲」

  • 「病院受診の原因ランキング」(犬猫合計)で5位
  • 「手術の原因ランキング」( 〃 )で3位

ということです。

そういう目で見ると、私たちの日常生活には危険なものがいっぱいです。ペットボトルの蓋、ビニール袋の切れ端、輪ゴム、クリップ、お菓子の包装紙……。

どれも、猫がおもちゃがわりにして遊びそうなものばかりです。

猫の中には、毛布やひもなどの「繊維」が、特に好きな子がいるようです。

美蘭もまさにそんな繊維好きの猫です。毛布やひも、タオルには異常なほど執着します。

そして、手術をして美蘭の命を助けてくれた先生にも本当に感謝しています。先生の的確な診断と手術がなければ、大変なことになっていました。

みなさんも、にゃんこの誤飲には十分気を付けてくださいね。

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ABOUTこの記事をかいた人

東京都在住。ライター&翻訳者(英語、中国語)として活動中。夫、子ども、猫の3人+1匹暮らし。趣味は、猫と遊ぶことの他、旅行、アクセサリー作り、景色と雪質の良い場所限定でのスキーです。よろしくお願いします。