「急須を育てる」ってどういうこと? 見た目もかわいい烏龍茶用の小さな急須

今回は、見た目もおしゃれでかわいい

  • 烏龍茶用の急須

をご紹介します。

鈴(リン)ちゃん
そういえば、うちにはちっちゃい急須がいっぱいあるにゃん
ゆうり
コロンと小さくてかわいらしい急須は、並べて飾っても楽しいよね

烏龍茶用の小さな急須は、旅番組やガイドブックなどでよく見かけます。旅行で中国や台湾旅行に行った際に、茶芸店などで、中国茶道をご覧になった方も多いと思います。

東洋独特の凛とした空気とどこか懐かしい雰囲気を感じます。


おいしい烏龍茶をいただきましょう。烏龍茶を淹れるための道具


少し本格的に烏龍茶を淹れてみたいという時は、

  1. 茶壺(チャフー): 小さめの急須です
  2. 茶杯(チャベイ): 小さな湯呑です
  3. 茶海(チャハイ): 急須からいったんこの器にお茶を移します
  4. 壺托(チャトゥオ):急須を乗せるお皿のような役割を果たします

はあった方がよいでしょう。(カッコ内は中国語読みです)

 

淹れる順番はとてもシンプルです。

  1. 茶壷に茶葉とお湯を入れ、1煎目はすぐに捨てる
  2. 茶壷にもう一度お湯を入れて、1~3分ほど蒸らす
  3. 茶海に烏龍茶を注ぐ
  4. 茶海から茶杯に烏龍茶を注ぎ、おいしくいただく

これだけです。

「3.茶海に烏龍茶を注ぐ」のところで、お湯が茶壷からあふれてしまうので、「壺托」が必要になるわけです。

急須からこぼれるぐらいのお湯の量

鈴(リン)ちゃん
どこで買えばいいのか分からないにゃん
ゆうり
烏龍茶を販売しているお店だけでなく、通販サイトなどでも手軽に買えるよ
鈴(リン)ちゃん
値段も高そうだにゃん
ゆうり
「烏龍茶用の茶器セット」として、2,000円~3,000円から販売されているよ。いろいろな形があるので、好みのものを選んでね

烏龍茶はお茶ですから、もちろん、日本茶の急須を使っても手軽に楽しめます。
また、蓋のついた湯呑のような「盖碗」(ガイワン)という茶器もあり、急須を使わずに淹れることもできます。

日本茶は急須にお湯を入れてから2煎目ぐらいまでは、おいしくいただけますが、それ以上になると、急激に味と香りが落ちますよね。
烏龍茶は、1煎目のお湯は捨てて(茶葉を洗う意味があります)、2煎目以降を楽しみます。6煎目くらいまでは、味が落ちません。烏龍茶独特の奥深い香りも楽しめます。


中国に住んでいたころは、お茶専門店に通っていました


中国・北京に住んでいたころ、街の中にあるお茶専門店やスーパーマーケットなどでウーロン茶を買うこともありました。でも、特別なお茶を入手したり、お茶の道具を買いに行ったりするときは、よく「茶城」と呼ばれるお茶市場に出掛けました。
ビル1棟がそのままお茶の専門店街になっていて、100軒以上のお茶専門店が入っています。こういった「茶城」は中国のほとんどの都市にあります。

「茶城」に通っていると、なじみのお店が数軒できます。
そこでは、新茶情報を聞きながら、烏龍茶の試飲ができます。

外国人慣れしている店主や、英語や日本語を話せる店員さんも多く、そういったお店には、やはり外国人のお客さんが多く訪れます。

「やあやあ。よく来たね。まあ腰掛けなさい」

という感じで、すぐに茶壷で烏龍茶を淹れてくれます。

こちらも、歩き回ってクタクタですので、ありがたくいただきます。

  • 新茶を仕入れに地方へ行った時の苦労話と自慢話
  • 最近来た日本人観光客の噂話
  • 奥さんやお子さんなど家族の話

など、いろいろ話してくれます。

こちらも

  • 最近の中国や日本のニュース
  • 疑問に思った中国の習慣

などについて話したりします。

居心地のよい空間なので、月に数回は通っていました。


「急須を育てる」ってどういうこと?


そんなお茶専門店の店主が教えてくれたこと。

それは

養壺(ヤンフー)

という作法です。

「茶壷」(急須)を育てるいうことを、中国語でそう言います。

全ての急須が「養壺」に向いているわけではありません。

烏龍茶用の急須「茶壺」(チャフー)のうち、江蘇省宜興市で採れる「紫砂」(ズシャ)という土を使って焼かれたものは、最高級品と言われています。「紫砂」で作られた急須を「紫砂壺」(ズシャフー)と呼びます。
(急須として優れているという意味で、価格が高いわけではありません。紫砂壺でも安いものだと日本円で1,000円前後からあります。)

紫砂壺はで烏龍茶を淹れると
表面に無数の見えない孔が空いているため、お茶の香りが高まり、味がまろやかになる
と言われています。

ただ、使い始めが少し面倒です。
土の匂いを消すために次のような手間がかかります。

  • 急須ごと鍋に入れて烏龍茶の茶葉を入れたお湯で、1~2時間ほど弱火で煮込みます
    (水の量と火加減に注意)
  • その後、火を止めておよそ1日放置します

紫砂壺は、お茶の香りを吸収するので、うまく育てれば、急須から烏龍茶の香りが立つようになるというのです。お茶屋さんの店主から、彼が育てた茶壷を見せられながら「養壺」の話を聞いた時、目がハートになりました。

昔から、こういった「経年変化」系の話に目がないんです。

「経年変化」はビンテージ家具にはまってしまう理由の1つでもあります。

「養壺」の具体的な方法は

  • 毎日、茶壷を使って同じ種類の烏龍茶を飲む
  • 残ったお茶を茶壷に掛ける
  • 茶殻をガーゼに包んで、茶壷を磨く
  • その後、乾いたガーゼで拭く

こと。

これを毎日繰り返せば、3年も経てば渋く光る、いい感じの茶壷が育つというではありませんか。

北京にいる間、毎晩、烏龍茶を飲み、毎晩、「養壺」を続けました。
しかも、お茶専門店に行っては、気に入った「茶壷」を購入して、一つずつ「養壺」しました。楽しい時間でした。何かにはまるというのは楽しいものです。

おかげで、今、わが家にある烏龍茶用の急須はどれもいい艶が出ています。

今でも、お客さんがいらしたときには(気が向けば)烏龍茶のお点前を披露します。
猫も烏龍茶の香りには興味津々のようです。


【まとめ】小さな急須で烏龍茶を楽しもう


今回は烏龍茶用の小さな急須についてご紹介しました。

ぜひおいしい烏龍茶を、手軽に楽しんでいただきたいと思います。
並べて飾るのも楽しいですね。

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

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ABOUTこの記事をかいた人

東京都在住。ライター&翻訳者(英語、中国語)として活動中。夫、子ども、猫の3人+1匹暮らし。趣味は、猫と遊ぶことの他、旅行、アクセサリー作り、景色と雪質の良い場所限定でのスキーです。よろしくお願いします。