今回は、見た目もおしゃれでかわいい
- 烏龍茶用の急須
をご紹介します。
烏龍茶用の小さな急須は、旅番組やガイドブックなどでよく見かけます。旅行で中国や台湾旅行に行った際に、茶芸店などで、中国茶道をご覧になった方も多いと思います。
東洋独特の凛とした空気とどこか懐かしい雰囲気を感じます。
おいしい烏龍茶をいただきましょう。烏龍茶を淹れるための道具
少し本格的に烏龍茶を淹れてみたいという時は、
- 茶壺(チャフー): 小さめの急須です
- 茶杯(チャベイ): 小さな湯呑です
- 茶海(チャハイ): 急須からいったんこの器にお茶を移します
- 壺托(チャトゥオ):急須を乗せるお皿のような役割を果たします
はあった方がよいでしょう。(カッコ内は中国語読みです)
淹れる順番はとてもシンプルです。
- 茶壷に茶葉とお湯を入れ、1煎目はすぐに捨てる
- 茶壷にもう一度お湯を入れて、1~3分ほど蒸らす
- 茶海に烏龍茶を注ぐ
- 茶海から茶杯に烏龍茶を注ぎ、おいしくいただく
これだけです。
「3.茶海に烏龍茶を注ぐ」のところで、お湯が茶壷からあふれてしまうので、「壺托」が必要になるわけです。

急須からこぼれるぐらいのお湯の量
烏龍茶はお茶ですから、もちろん、日本茶の急須を使っても手軽に楽しめます。
また、蓋のついた湯呑のような「盖碗」(ガイワン)という茶器もあり、急須を使わずに淹れることもできます。
日本茶は急須にお湯を入れてから2煎目ぐらいまでは、おいしくいただけますが、それ以上になると、急激に味と香りが落ちますよね。
烏龍茶は、1煎目のお湯は捨てて(茶葉を洗う意味があります)、2煎目以降を楽しみます。6煎目くらいまでは、味が落ちません。烏龍茶独特の奥深い香りも楽しめます。
中国に住んでいたころは、お茶専門店に通っていました
中国・北京に住んでいたころ、街の中にあるお茶専門店やスーパーマーケットなどでウーロン茶を買うこともありました。でも、特別なお茶を入手したり、お茶の道具を買いに行ったりするときは、よく「茶城」と呼ばれるお茶市場に出掛けました。
ビル1棟がそのままお茶の専門店街になっていて、100軒以上のお茶専門店が入っています。こういった「茶城」は中国のほとんどの都市にあります。
「茶城」に通っていると、なじみのお店が数軒できます。
そこでは、新茶情報を聞きながら、烏龍茶の試飲ができます。
外国人慣れしている店主や、英語や日本語を話せる店員さんも多く、そういったお店には、やはり外国人のお客さんが多く訪れます。
「やあやあ。よく来たね。まあ腰掛けなさい」
という感じで、すぐに茶壷で烏龍茶を淹れてくれます。
こちらも、歩き回ってクタクタですので、ありがたくいただきます。
- 新茶を仕入れに地方へ行った時の苦労話と自慢話
- 最近来た日本人観光客の噂話
- 奥さんやお子さんなど家族の話
など、いろいろ話してくれます。
こちらも
- 最近の中国や日本のニュース
- 疑問に思った中国の習慣
などについて話したりします。
居心地のよい空間なので、月に数回は通っていました。
「急須を育てる」ってどういうこと?
そんなお茶専門店の店主が教えてくれたこと。
それは
養壺(ヤンフー)
という作法です。
「茶壷」(急須)を育てるいうことを、中国語でそう言います。
全ての急須が「養壺」に向いているわけではありません。
烏龍茶用の急須「茶壺」(チャフー)のうち、江蘇省宜興市で採れる「紫砂」(ズシャ)という土を使って焼かれたものは、最高級品と言われています。「紫砂」で作られた急須を「紫砂壺」(ズシャフー)と呼びます。
(急須として優れているという意味で、価格が高いわけではありません。紫砂壺でも安いものだと日本円で1,000円前後からあります。)
紫砂壺はで烏龍茶を淹れると
表面に無数の見えない孔が空いているため、お茶の香りが高まり、味がまろやかになる
と言われています。
ただ、使い始めが少し面倒です。
土の匂いを消すために次のような手間がかかります。
- 急須ごと鍋に入れて烏龍茶の茶葉を入れたお湯で、1~2時間ほど弱火で煮込みます
(水の量と火加減に注意) - その後、火を止めておよそ1日放置します
紫砂壺は、お茶の香りを吸収するので、うまく育てれば、急須から烏龍茶の香りが立つようになるというのです。お茶屋さんの店主から、彼が育てた茶壷を見せられながら「養壺」の話を聞いた時、目がハートになりました。
昔から、こういった「経年変化」系の話に目がないんです。
「経年変化」はビンテージ家具にはまってしまう理由の1つでもあります。
「養壺」の具体的な方法は
- 毎日、茶壷を使って同じ種類の烏龍茶を飲む
- 残ったお茶を茶壷に掛ける
- 茶殻をガーゼに包んで、茶壷を磨く
- その後、乾いたガーゼで拭く
こと。
これを毎日繰り返せば、3年も経てば渋く光る、いい感じの茶壷が育つというではありませんか。
北京にいる間、毎晩、烏龍茶を飲み、毎晩、「養壺」を続けました。
しかも、お茶専門店に行っては、気に入った「茶壷」を購入して、一つずつ「養壺」しました。楽しい時間でした。何かにはまるというのは楽しいものです。
おかげで、今、わが家にある烏龍茶用の急須はどれもいい艶が出ています。
今でも、お客さんがいらしたときには(気が向けば)烏龍茶のお点前を披露します。
猫も烏龍茶の香りには興味津々のようです。
【まとめ】小さな急須で烏龍茶を楽しもう
今回は烏龍茶用の小さな急須についてご紹介しました。
ぜひおいしい烏龍茶を、手軽に楽しんでいただきたいと思います。
並べて飾るのも楽しいですね。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
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